日付 2007年07月04日 
タイトル 尾瀬ヶ原5 
内容 朝起きると、山ではもう遅い5時前だった。外を見るとあたりには霧が立ち込めていたけれど、次第に至仏山の頂上周辺がうっすらと見えてきた。「なんとか晴れそうだな」と思っていると、予想に反してどんどん晴れてきた。快晴なのだ。
朝食会場に行くともう、だいたいの人々は終わっているようで、我がチームは最後の方だった。急ぐ旅でもないし、余裕の行程なのでゆったりと朝ごはんを食べた。それにしても、夜に引き続き
朝ごはんもおいしいのである。
あたりを散歩したり、写真をみんなで撮ったりしながら、ゆっくりと出発。温泉小屋方面へ一度向かう。今日も水芭蕉がとてもきれいに咲いていて、リュウキンカも群生していた。温泉小屋と東電小屋の分岐まで来て、いざ東電小屋方面へ行こうとしたら、誰かが看板に気が付いた。「東電小屋の手前の橋が工事中のため通行止め」あれれー。もう一度見晴へもどり、竜宮の小屋へ。ここまでスタートから1時間ほどかかってしまい、のんびり持参したアイスコーヒーなどを飲みながら談笑した。遠回りしてしまったので、昨日のコースをまっすぐ帰ろうかと考えていたら、「せっかくだから違う道を帰りたい」という、佐藤夫人の強く心強い要望があり、東へルートを変更し、一路ヨッピ橋を目指す。
 ここは人も少なく、歩きやすく、ちょうど燧ケ岳と至仏山の真ん中くらいを横断する道なので、右を見ると燧ケ岳、左を見れば至仏山という、なかなか飽きの来ない素晴らしいロケーションなのであった。尾瀬で唯一、歩いていない道かもしれない。写真家の鎌田さんは、常にずっと後ろの方を歩いており、写真に夢中なのか、みんなの良い写真を後方から狙っているのかといった距離を保っていた。黒丸さんは、ビデオを撮っているような、写真を撮っているような、さすがプロのカメラマンはさりげなく重大な記録を残しているような感じがして、うーむと唸らずにはいられなかった。私はただ、黙々と歩くだけの相変わらずブレーキの壊れた暴走機関車なのである。
ヨッピ橋へ着くと物凄い人々で、いつもの橋のたもとの休憩ポイントを考えていたのだが、足の踏み場も無いくらいだったので、また橋を渡り返して山の鼻を目指す作戦に切り替えてしまった。中央のルートに近づくにしたがい、また人が多くなってきた。「山では必ずすれ違いで挨拶」と教わってきたので、極力挨拶をするのだけれど、半分以上の人が無反応だったり、視線をそらしたりするので、だんだん精神的に疲れてきてしまい、相手を見て挨拶するようになってしまった。目が合った人→こんにちは ツアーのバッチを付けていない人→こんにちは  少人数のパーティー→こんにちは  家族連れ→こんにちは  子供の団体→こんにちは  でかいカメラと三脚を持った人→目が合ったらこんにちは   それ以外の人→挨拶すると悲しくなる
山の鼻2キロ手前の合流地点で休んでいると、南からプロパンボンベがやってきた。よく見ると、昨日竜宮ですれ違った小さな女の子ボッカだった。ガスボンベの下に、他の荷物も積んでいる。50キロくらいかな?すごいね。女の子なのに。
 人ごみを掻き分けながらやっとの思いで山の鼻に着くと、物凄い人だった。福島であんなに人が集まるのは、正月の稲荷神社くらいかね?すんごいの。久しぶりでハイヒール登山の女の人も見た。ジャケット着ているおじさんなんか、たくさん居るし。重いの背負っているのが悲しくなってきましたよ。
 歩きながら、ずっと口にしていた「山の鼻でカレーをたべよう!」時が来ました。腹も減って、おいしいカレーが食べられると思うと、待ちきれないのだが、注文すると、何やらレトルトパックをお湯で温めている。「おおー!あれに具を入れて作るのですねー!!」と、期待してみていると、ご飯に福神漬けを載せて、レトルトをそこへ開けておしまいだった。ふうーっ!あと40分で鳩待のここでならおいしいカレーが食べられると思っていたのに、安達太良のくろがね小屋だって、飯豊山の切合小屋だって、みんな手作りでしょう!!立山のアルプスカレー1200円だって、レトルトに毛が生えていたけれど、それでも少しの感動はあったでしょう!!それなのに、山の鼻のそれも東京電力の小屋なのに、900円もするのに、ボンカレーより味も具も落ちるカレーですか!?まあ、ここはリトルトーキョーみたいなところなので、仕方がないのでしょうか?久しぶりで、「食べるとおなかが空くカレー」だったのでした。ショック!  続く 

 
         


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